高次脳機能障害とは?
高次脳機能障害とは(YouTube動画)
脳卒中や交通事故などによる脳の損傷が原因で、脳の機能のうち、言語や記憶、注意、情緒といった認知機能に起こる障害を高次脳機能障害と言います。注意が散漫になる、怒りっぽくなる、やる気がなくなる、記憶が悪くなる、段取りが悪くなる、などの症状があり、全国に50万人くらいと推定されています。
高次脳機能障害の発症の原因は、8割が脳卒中(脳梗塞、脳出血、くも膜下出血などの脳血管障害)、1割が交通事故などの脳外傷によるものです。その他にも 脳炎、窒息や心筋梗塞から起こる低酸素脳症、脳腫瘍、症候性てんかん、正常圧水頭症、パーキンソン病などによる脳の損傷で発症することもあります。
高次脳機能障害は外見からはわかりにくく、病院や診察室では気づかれずに、実際の生活や社会に戻って初めて問題が顕在化することが少なくなく、「見えない障害、隠れた障害」などとも言われます。
高次脳機能障害の診断は、症状の確認、それを説明できる頭部MRIやCTなどの画像所見、障害を裏付ける神経心理学的検査の結果などによって行われます。
高次脳機能障害の症状
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小児の高次脳機能障害
小児の高次脳機能障害の原因は、急性脳症、髄膜炎、頭部外傷、低酸素脳症、脳血管障害、ウィルス性脳炎、脳腫瘍など多岐にわたります。
発達障害との鑑別が難しく、小学校低学年では神経疲労が目立ち、学年が上がるにつれて対人関係の問題が顕在化します。記憶障害は、学齢時になり教科学習の内容が高度化・抽象化する過程でその習得の困難さの原因となりやすく、成人して社会人になってから自立性や計画性を求められるようになり、はじめて遂行機能の問題に直面するというような経過をたどる場合もあります。
教育環境のめまぐるしい変化について行けず、努力をしている割に成果が得られず学校生活に適応できなくなることがよくあります。成人同様、外見からは気づかれにくく、病院や診察室では問題がなくても、復学後の様子を比較的長期間にわたって注意深く観察する必要があります。